2024年3月14日
22回目となるINTERACTIONコレクションでは、デザイナーのナターシャ・ラムゼイ・レヴィ(Natacha Ramsay-Levi)を招き、A.P.C.のクラシックアイテムを再考しています。
バレンシアガのニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquière’s)の右腕として活躍し、ルイ・ヴィトン、そして2020年までクロエのアート・ディレクターを務めたナターシャ・ラムゼイ・レヴィは、着る人の個性を引き出す服を想像することで知られており、マスキュラン/フェミニンの限界を超えることも得意としています。
このエスプリに基づき、ナターシャは、デニム、ポプリン、コットンギャバジンなど、A.P.C.の象徴的な素材やアイテムを独自にアレンジし、プロポーションを見直しています。例えば、ギャバジンのトレンチコートは、フィット感のあるクロップドタイプや身丈をロングにし、ジップをつけたバージョンを提案しています。
また、A.P.C.のワードローブの定番のひとつであるジーンズも、ハイウエスト・ロングフレア・前面にステッチプリーツのディテールを取り入れたClinteauと、ミッドライズウエスト・ワイドレッグ・ウエストのホワイトタイが1970年代を彷彿とさせるMadame Santeuilの2型に再構築しています。さらに、ホワイトとブルーの無地ポプリンと、エクリュベースにストライプ模様のビスコース素材には、ボリュームがあり、袖口はしっかりとマークされた、新しいレディースシャツドレスも発表します。
一見シンプルに見えるデザインですが、「遊び心を持ってのことですが、ファッション業界では、『美しいけれど着ることが難しい』という意味で『コンセプチュアル』という言葉を使います。ナターシャは、着ることができるコンセプチュアルなアイテムを提案すると言えるでしょう。
そして、ナターシャの強さであり、主張する女性らしさのビジョンは、物象化した女性の概念から脱却した女性にむけているようにも感じます。」と、
ジャン・トゥイトゥは語ります。
ライトデニムのウェスタンシャツなど、一部のアイテムはメンズも提案しています。
写真のインスピレーションソースが現実に向いていた1980年代後半から1990年代にかけて、雑誌『The Face』や『i-D』に掲載されたファッション・シリーズで知られるイギリス人アーティストのナイジェル・シャフラン(Nigel Shafran)が今回のキャンペーンの撮影を手掛けています。
2000年代に入り、彼の作品はより内面に向かうようになり、よりシンプルで身近な場所に美を求めるようになりました。