友人でもある『L’Étiquette』誌のGauthier Borsarello、Marc Beaugéと協業し、新しいジーンズをデザインしました。その理由?
何故なら、彼らのモードに対する観察眼に親しみを覚えているからです。例えば、1968年頃のビートルズの作品を取り上げたドキュメンタリー映画『Get Back』を話題にする際、ビートルズの印象的な衣装10着にフォーカスし紹介しました。そういう点では彼らは服飾史のコラムニストのようです。
彼らは特別です。洋服、それもジーンズに関して、普通の人が決して気が付かないようなディテールにまで非常に精密なこだわりを持っています。あたかも、花柄の版画を掘る彫刻家のように、誰も気づかないが誰もが感じとることの出来る6つ目のグレーのニュアンスを付け足すような。その違いを感じることは出来ても何が違うのか決して分からないような感覚で、ファッショナブルでありながらファッショナブルではない、理想的なジーンズを創造しました。良いジーンズとはどのようなものであるかということについて長年考え観察してきた結果、ややハイウエストでストレートカットであることが良いバランスである、という結論に至りました。